吉田修一の小説を原作とし、李相日監督・吉沢亮＆横浜流星主演で描かれる壮大な歌舞伎映画『国宝』。任侠の家に生まれ育った青年が、血筋を超えて歌舞伎の頂点を目指す──その人生50年の旅路は、日本芸能の核心に迫ります。なぜ“歌舞伎×映画”という異色の組み合わせが、若年層から伝統好きまで幅広く熱烈に支持されているのか。今、その全貌に迫ります。
血筋と才能、葛藤の壮大な一代記
主人公・喜久雄は15歳のとき歌舞伎役者に引き取られ、やがて“女形”として注目を浴びる存在に。彼の相棒でありライバルの俊介（横浜流星）との関係性が物語を強く彩り、芸の世界における“血筋と実力の対峙”が深く描かれます。
専門家×豪華俳優の本格タッグ
監督は『フラガール』『悪人』の李相日。脚本は『サマーウォーズ』の奥寺佐渡子、美術監督は『キル・ビル』種田陽平という布陣。吉沢亮は1年半にわたる歌舞伎稽古を経て役に挑み、渡辺謙、中村鴈治郎らの協力のもと、文化的リアルを映画に注入しています。
ロケ地は“生きている文化財”
劇中では実際の芝居小屋（出石永楽館など）が舞台となり、歴史と血の通った空間が映し出されます。その壮麗さは観る者を圧倒し、映画を一層荘厳なものにしています。
観客動員＆興収が示す“歌舞伎映画”の力
初動以上に評判が噂となり、興収は1週目3.46億円から2週目に140％超増、最終的に興収21億円を突破。歌舞伎ファンの支持が若年層への広がりも生み、日本映画界で異例のヒットとなっています。
まとめ
『国宝』は“歌舞伎”という日本の伝統を映画で見事に描き出し、才能と血統の物語を現代的なドラマとして編み上げています。豪華スタッフ・キャストと圧倒的制作陣が織りなす情熱の一本は、これまで歌舞伎に縁のなかった観客にも強い印象を残しました。
伝統を芸術として、あるいはエンタメとして楽しめるこの作品は、まさに“100年に一度”と表現される価値があるでしょう。今後、海外映画祭（カンヌ監督週間にも出品）などでも注目され、日本文化の魅力を世界に発信する機会となる可能性大です 。
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