Vaundy 新シングル「zutto love song」レビュー｜愛が続くことへの切ない祝福

はじめに

2025年8月27日、Vaundyが新たなシングル「zutto love song」をリリースしました。Apple Musicでは「ロック」ジャンルに位置づけられており、ShazamやOnlyHitsなど、複数の音楽プラットフォームで注目のリリースとなっています。

この記事では、作品の音楽的特徴・歌詞のテーマ・個人的な聴き体験を通して、「どう今作がVaundyらしさを宿しつつ進化しているか」を語ります。

リリース日：2025年8月27日
ジャンル：ロック／ポップスの要素を併せ持つ、新境地を感じるサウンド
本作は「Time Paradox」や「Homunculus」に続く、2025年の連続シングルリリースの一環として発表されており、音作りや楽曲テーマに統一感が感じられます。

「zutto love song」は、過度な装飾を避けたミニマルなプロダクションに見えつつも、ギターリフやシンセの重なりが静かに心を揺さぶります。それが、タイトル通り“ずっと続く愛”の余韻を強く感じさせるのです。

Vaundy特有の透明感のあるボーカルが主役でありながら、絶妙なエコーやリバーブが楽曲を一層ドラマチックに彩ります。特にサビの「ずっと」を繰り返すフレーズが、感情を共鳴させるように丁寧に響きます。

2023年のアルバム『Replica』や、2024〜2025年のシングル群では、エレクトロ・ロック的な多彩な表現が目立ちましたが、本作はより“音と声の対話”に重きを置いているように感じます。これは、Vaundyの音楽性が静寂と感情の交差点へ昇華した証とも言えます。

「zutto love song」というタイトルには、“変わらずに続く愛”への誓いと、その裏にある切なさが共存しているように感じられます。具体的な歌詞引用は避けますが、愛することの喜びだけでなく、「変わってしまうことへの恐れ」や「壊れるかもしれない予感」も含んだニュアンスが存在しているようです。

これは、Vaundyが単なるポップソングではなく「心の揺らぎ」を描くことを強く意識している証拠と言えるでしょう。

実際にイヤホンで初めて「zutto love song」を聴いた時、まるで夜に静かに想いを吐露するような感覚に包まれました。通勤や帰宅のBGMとしてではなく、「聴き切ることで心が浄化される」ようなアルバムの一曲として体験できる作品です。

また、通しで聴くと、彼の他の最近のシングル群と繋がる物語のようにも感じられ、ファンとしては「曲単体でもいいけれど、まとめて体験するほど深まる」という楽しみが増えます。

私自身、Vaundyの曲を初めて聴いた時から、その言葉の選び方や音の空気感に惹かれてきました。「zutto love song」も例外ではなく、「ずっと愛している」というストレートな言葉を、この静謐な音に乗せるだけで胸を締めつけます。

おすすめの聴き方：

「zutto love song」は、Vaundyの音楽性と世界観がさらに深化した一曲。ポップソングとしての魅力はもちろん、リスナーの心に静かに染み入る“愛の物語”を提供してくれる作品です。